BKF BUTTEFLY CHAIR
BKFバタフライチェア

“バタフライチェア”の愛称でも知られる「BKFチェア」は、3人のアルゼンチン人デザイナー(アントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、ホルヘ・フェラーリ=ハードイ)によってデザインされ、それぞれの頭文字をとってBKFチェアと名づけられました。
彼らは20世紀を代表する建築家のル・コルビュジエの下で働いた経験を持ちますが、この椅子からはその影響はあまり感じられません。
それよりも、イギリスのエンジニア、ヨゼフ・フェンビィが1855年にデザインした椅子にインスピレーションを得て、1938年に誕生しました。
1950年代から60年代にかけて特に若者たちに支持され、その人気はイームズ夫妻にも勝るとも劣らないものでした。
CUERO社(クエロ)
スウェーデンの CUERO 社の創業者、ラース・キヤスタディウスは2005年に BKFチェアの再生産を始めました。かつてとは違って、今度はキャンバスではなく、イタリアから取り寄せた最高品質のレザーで作りました。その結果、復活後の BKF チェアは発売後すぐに大成功をおさめました。生まれ変わった BKFチェアに使用されているのは、通常の手法よりも手間のかかる方法でなめされた、ベジタブルタンニンのレザーです。その仕上げにかかる工程には、熟練の職人による特殊な技術が必要とされます。イタリアのいくつかの小さな皮革なめし工房が連携して工程を進めて非の打ちどころのないレザーを完成させ、CUERO 社に納めています。

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半世紀以上前のデザイン
BKFチェアの黄金時代である1950年代には、500万脚ほど製造されました。アメリカのノール社が当時のメーカーのひとつです。このポスターはその販促物として使用されていたものです。
![land-cuero_detail-2[1]](http://iess.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/land-cuero_detail-21.jpg)
ニューヨーク近代美術館に展示
“ハードイチェア”“バタフライチェア”とも呼ばれていたBKFチェアは1941年、エドガー・カウフマン・ジュニアの選定により、ニューヨーク近代美術館におさめられました。
![land-cuero_detail-4[1]](http://iess.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/land-cuero_detail-41.jpg)
上質な革に鞣すアニリン染め
メーカーのCuero はスウェーデン、ヴェクショー近くの深い森の中にあります。1987年に北欧市場におけるラムレザーなどの革の衣料メーカーとして創業し、BKFチェアの生産によってインテリア業界への進出を果たしました。