有田焼の産地である佐賀県・有田は、1616年に陶祖、李参平によって日本で最初に陶磁器が作られたとされる場所。400年を経てもなお、色あせる事のない妥協の無いものづくりの精神は今日の有田を支える人達に受け継がれています。
2012年、豊富な経験と技術をもつ有田の人々と共に、デザイナー柳原照弘がクリエイティブディレクターとなり、今日までの有田の歴史と対話をしながら、物語をつなぐ新たな陶磁器ブランドを生み出しました。遥か昔の記憶を引き継ぐように名付けられた「1616 / arita japan」は、有田焼の伝統を踏襲しながらもこれまでの有田焼とは異なるデザインアプローチを試みています。シリーズごとに新たなデザイナーを迎えて発表される器が、日本の伝統に新たな解釈をもたらし、これからの未来に寄り添っていきます。
有田の技術や情熱を世界に伝える総合商社
1616/ arita japanコレクションの製造元である百田陶園。その前身となる百田家は1647年(正保4年)〜1871年(明治4年)まで鍋島藩有田皿山代官所統括の元で窯焼きの仕事に従事していました。先祖のやきものに対する情熱を今も受け継ぎながら、百田陶園は有田焼の総合商社として、有田の窯元と共に妥協のないものづくりを続けています。2012年に立ち上げた本ブランド「1616/ arita japan」は、同年初出店したミラノサローネにおいて、世界中のデザイン関係者から高い評価を得、現在はヨーロッパを中心に、18カ国以上で展開しています。
1616 / arita japan のクリエイティブディレクターである柳原照弘は、陶磁器の可能性を試みた新しい素材を用いながらも、多様な食生活に対応する「スタンダード」のデザインを担当し、オランダ人デザイナー、ショルテン&バーイングスが「カラーポーセリン」と呼ばれる日本の伝統色を再解釈したシリーズを生み出しました。2018年にはフランス人デザイナー、ピエール・シャルパンによる、フォルムと装飾の関連性が考え抜かれた「アウトライン」が誕生。そして2021年、デンマーク人デザイナー、セシリエ・マンツによるシンプルさと柔らかさを兼ね備えた「クレイ」が新たに加わりました。
Teruhiro Yanagihara
遥か昔、400年前に作られた道具としての器。その時代を想いながら新たな素材を用い、多様な食生活を受け入れるシンプルな形状の陶磁器のシリーズを開発しました。
用途を限定しないフレキシブルな形状でありながらも、非常に強度のある高密度の陶土を用いたライトグレーの器は、有田焼の持つ、華美ではない美しさが現代に引き継がれています。
Scholten & Baijings
ショルテン&バーイングスは、有田焼の広範囲に及ぶリサーチと分析を行い、今回の「カラーポーセリン」と呼ばれるシリーズを創り出しました。
日本の伝統色である、淡く、果敢ない色の層を重ねながら、陶磁器という文脈の中で再解釈したテーブルウェアのシリーズは、現代的で非常に機能性の高い形の中に、有田の特有の色遣いが反映されています。
Cecilie Manz
3年間にわたる緻密な検証と何百枚ものスケッチ、数えきれない試作を経て誕生したセシリエ・マンツのシリーズ。スタッキング可能なプレートやボウルなど、フラット、ディープ、ロー、トールの4つの要素で構成されており、伝統的な有田焼の白と、生成りがかったナチュラルなグレーの2種類の土を採用しました。シンプルさと柔らかさを兼ね備え、日本でもヨーロッパでも、世界中のキッチンに似合うコレクションが完成しました。
CMA ティーカップ Earth Grey
CMA コーヒーカップ Earth Grey
CMA ソバカップ Earth Grey
CMA オーバルフラット 140 White
CMA オーバルディープ 190 White
CMA オーバルディープ 260 White
CMA スタックディープ 130 Earth Grey
CMA スタックディープ 155 Earth Grey
CMA スタックディープ 180 Earth Grey